artscapeレビュー
カタログ&ブックス│2012年6月
2012年06月15日号
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
芸術回帰論──イメージは世界をつなぐ
3.11を機に浮かび上がった現代文明の問題の根底には、理系と文系のあいだにおける決定的な文化の乖離、すなわちコミュニケーションの不可能性が存在していた。自然科学の暴走を容認してきた社会の在り方を変革するため、いま、身体感覚に基づいた「共通言語」を取り戻し、新たに創造していくための場をここに開く。分裂がすすむ危機の時代に想起すべきは、科学的思考と芸術をつなぐイメージの力である。[平凡社サイトより]
建築と言葉──日常を設計するまなざし
詩人小池昌代氏と建築家塚本由晴氏が都市から家屋、風景ごとに必要な言葉を選び与えていく対話集。「建築には比喩が必要である」建築と言葉の関係を中心に詩や小説、俳句といった分野に至まで暮らしの源泉と未来を探っている。
復興の風景像──ランドスケープの再生を通じた復興支援のためのコンセプトブック
被災地の産業や生活の再生、直面する人口減少や高齢化社会問題、これらをランドスケープの再生から考えることは、震災からの復興のみならず、将来の地域や都市デザインを考えるための最先端ツールとなる。第一線で活躍する気鋭のランドスケープアーキテクトたちが提案するデザインコンセプト集。[本書帯より]
subject'11──浸透の手つき
多摩美術大学大学院美術研究科芸術学専攻の研究誌として、2011年度の活動がまとめられている。トークイベント「オルタナティブの現在──キッチンからアートNPOまで──」の記録や、アートプロジェクト「AOBA+ART2011」の実践報告、修士論文の研究報告などが収録されている。
TUAD AS MUSEUM── Annual Report 2011
東北芸術工科大学美術館大学構想年報。『美術館大学センター』では、学内の研究機関と共同で〈東北〉の風土に根ざした展覧会や、他地域とのネットワーク構築のためのシンポジウムを定期的に企画・開催している。また、〈芸術によるあらたな地域文化の掘り起こしとその継承〉をテーマに、東日本大震災の被災地や、空洞化しつつある中心市街地や中山間地域での、地域と有機的に連動しながら推進している。
2012/06/15(金)(artscape編集部)