artscapeレビュー

フランク・O・ゲーリー《ウォルト・ディズニー・コンサートホール》ほか

2012年06月15日号

[アメリカ ロサンゼルス]

UCLAでレクチャーを行なうため、ロサンゼルスを13年ぶりに訪れ、新しい建築を見学した。前回はまだ建設中だったフランク・ゲーリーのコンサートホールは完成し、その独特の造形から、ここでも都市のランドマークとなっている。ビルバオ、ヴィトラのミュージアムなど、各地の様式はどれも同じように見えるが、これは外構をランドスケープのように、上下に歩きまわれるのがおもしろい。またコンサートホールの近くには、要塞のような外観だが、内部は明るく開放的なラファエル・モネオによる大聖堂、オブジェ的な造形が目立つコープ・ヒンメルブラウの高校なども新しく登場している。磯崎新のMOCAの向かいには、ディラー+スコフィディオらによる現代美術館も建設中だった。このエリアが文化的な建築によって再開発が進行していることがうかがえる。

写真:上=ホセ・ラファエル・モネオ《聖母マリア・カテドラル(天使のマリア大聖堂)》、下=コープ・ヒンメルブラウ《ビジュアル&パフォーミング・アーツ、セントラル・ロサンジェルス第9高校》

2012/05/04(金)(五十嵐太郎)

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