artscapeレビュー
第17回岡本太郎現代芸術賞展
2014年04月15日号
会期:2014/02/08~2014/04/06
川崎市岡本太郎美術館[神奈川県]
審査員も受賞作品も似たり寄ったりの絵画コンペが林立するなか、いまや規格外の破天荒な作品が期待できる唯一の現代美術コンペといえるのがこのTARO賞だ。とはいえ、審査員がほぼ固定したまま17回も続けていると、マンネリとはいわないまでもある種の傾向が出てくるのは否定できない。それは日用品や映像や音などを動員したミクストメディアによるインスタレーションだ。もともと絵画も映像もなんでもありだから、目立とうと思えば最大5メートル立方のインスタレーションを出すのが有利だろうことは予想がつく。とくに今回は岡本太郎賞のキュンチョメをはじめ、岡本敏子賞のサエボーグも、特別賞の小松葉月やじゃぽにかも、受賞作品の大半はインスタレーション。ほかにも小山真 、萩谷但馬、廣田真夕、柵木愛子らがゴチャゴチャしたミクストメディアのインスタレーションだった。こうなると少数派の絵画・彫刻に加担したくなってくる。展示室中央のガラス面に即興で描いた文谷有佳里のドローイングは、目立たないながらも線描ならではの強度を備えた作品だと思う。それからもうひとつ気になるのは名前。キュンチョメ、サエボーグ、じゃぽにかってなんなんだよお!?
2014/03/11(火)(村田真)