artscapeレビュー
アート・アーカイヴ資料展XI──タケミヤからの招待状
2014年04月15日号
会期:2014/03/03~2014/03/28
慶応義塾大学アート・スペース[東京都]
まだ画廊も美術館もほとんどなかった1951年から6年間、瀧口修造による先鋭的な企画展を開いてきたタケミヤ画廊の資料を公開している。タケミヤ画廊は神田小川町にあった竹見屋洋画材店の大部分を展示スペースに提供したもので、企画を瀧口に依頼し、発案者の阿部展也を皮切りに、北代省三、山口勝弘、利根山光人、河原温、草間彌生、池田龍雄といった当時の若手作家の個展を中心に開いてきた。展覧会は約10日間ずつ計208回におよぶ。その案内状とリーフレット、写真などの展示。感心したことその1。案内状は全体の3分の1程度しかなく、リーフレットや写真もごくわずかだが、これだけ? とあきれるより、よく集めたもんだとホメるべきだろう。その2。初期のころの案内状の表記は「竹見屋画廊」「ギャラリー竹見屋」「タケミヤギャラリー」「画廊タケミヤ」などマチマチで、「画廊」も旧字体もあれば新字体もあって、細かい表記にこだわらない大らかさが感じられる(アーキビストからすれば困りもんだが)。その3。リーフレットはもちろんカラー図版など望むべくもなく、文字情報だけのシンプルなものだが、ちゃんと解説か推薦文が載り、おまけに出品作品のタイトルとサイズを記したリストまでついてること。これは資料的価値が高い。
2014/03/26(水)(村田真)