artscapeレビュー

札幌国際芸術祭2014記者会見

2014年04月15日号

会期:2014/03/13

六本木ヒルズ・アカデミーヒルズ[東京都]

今年7月に札幌市内の美術館や街中で開催される芸術祭の会見。坂本龍一がゲストディレクターに就任して話題になったが、素朴な疑問その1、なんでメインディレクターなのに「ゲスト」と冠しているんだろう。わざわざ北海道に招いたから? そんなこといったらいまどきの国際展のディレクターはみんなゲストじゃないか。いや全責任を負わせないようにゲストで、ってことだとしたら腰の引けた印象を与える。さて、テーマは「都市と自然」という、いかにも北海道らしいもの。メインビジュアルもビルの建ち並ぶ都市風景と、残雪のなかを蛇行する川の航空写真を対比的に使っていてわかりやすい。もちろん都市と自然を単に対比的に捉えるのではなく、明治以降の都市化・近代化に焦点を当て、炭坑史からエネルギー問題まで視野を広げている。参加アーティストはアンゼルム・キーファー、カールステン・ニコライ、スボード・グプタ、中谷宇吉郎・芙二子、砂澤ビッキ、工藤哲巳、岡部昌生、大竹伸朗、高谷史郎、宮永愛子、坂本龍一ら。素朴な疑問その2、北海道の炭坑出身の川俣正が出てないね。素朴な疑問その3、芸術祭全体で見ると、展覧会だけでなく「パフォーマンス/ライブ」「プロジェクト」もあり、ディレクターもそれぞれ分かれ、会場も異なっているのでややこしくないか。いろいろあって楽しいけど、ヘタすりゃ散漫な印象を与えかねない。それこそ統括するメインディレクターの存在が必要だろう。

2014/03/13(木)(村田真)

2014年04月15日号の
artscapeレビュー