artscapeレビュー
JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
2014年06月15日号
[東京都]
昨年リニューアルオープンした旧東京中央郵便局、現JPタワー内に開設された「博物館」。運営は日本郵政グループと東京大学総合研究博物館で、東大が開学以来収集してきたのに顧みられることの少なかった厖大なコレクションの一部を移設し、公開している。日本に生息していたワニの化石から、クジラやイルカの骨格、甲殻類や爬虫類や鳥類の標本、ダチョウの卵殻、人体解剖模型、鉱石コレクション、古代ペルシャの首飾り、年代物の地球儀・天球儀、天体望遠鏡、電気工学器具、幾何学関数の実体模型、東大医学部教授たちの胸像や肖像画、明治天皇の肖像写真、なぜか赤瀬川原平の《零円札》まで、かつてのヴンダーカマー(驚異の陳列室)を彷彿させる壮観さ。しかも入場無料というのがうれしい。ものすごく貴重なものは少ないと思うけど、これだけの年代物を幅広く集積し公開すること自体とても貴重なことだと思う。またひとつ楽しめるミュージアムが増えた。
インターメディアテク
2014/05/13(火)(村田真)