artscapeレビュー

あそびのつくりかた

2014年06月15日号

会期:2014/03/01~2014/06/01

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館[香川県]


実際に乗ったり触ったり、体験できることで子どもに人気の他作家の作品が並ぶ中、梅田哲也作品は、光と扇風機、ポリ袋、チューブといった梅田作品にはおなじみの日常品のセレクトで構成されていた。美術館は天井までは高さがあるのだが、天井のところにも作品のパーツが配置されており、細い管や棒、小さな明かりなど、他の作家の作品が大きくてわかりやすいタイプの作品と比べると、やや地味目。しかし、じっくり耳を澄ませると、細かい動きや音、光が動き出す、装置自体に小動物のようななんともいえない味があった。じっと子どもが注目してくれるのを待っているような、体験ではなくそれ自体を楽しむような通好みの構造。これを楽しめる子どもは、どれだけいたんだろうなー。

2014/05/31(土)(松永大地)

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