artscapeレビュー

『アナと雪の女王』『ミッキーのミニー救出大作戦』

2014年06月15日号

『アナと雪の女王』を見る。もちろん、大ヒットしているように、歌は良いのだが、氷や雪のアニメ表現で、ここまで描くことができることを示したマイルストーンだ。女王の戴冠式が、木造のゴシック空間になっているのは、ちゃんと北方的な建築のテイストである。そしてエルサがつくる氷の城は、表現主義のタウトやシェーアバルトらが構想したクリスタルのユートピアに通じるだろう。美術表現も楽しめる映画だった。今回、いつも期待を裏切らないディズニーの短編は、『ミッキーのミニー救出大作戦』だが、画面を飛び出し、3Dでカラーになったミッキーよりも、2Dのまま白黒で動くミッキーの方が魅力的なキャラに見えるのは興味深い。もっとも、日本のアニメのように目が大きいアナやエルサは、3Dでもキャラに感情移入させている。

2014/05/01(木)(五十嵐太郎)

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