artscapeレビュー

『ねもはEXTRA 中国当代建築』出版記念イベント「中国当代建築の〈すべて〉──オリンピックと万博を終え、中国建築はどのように進化したのか」

2014年06月15日号

会期:2014/05/17

アーツ千代田 3331 1Fラウンジ[東京都]

アーツ千代田3331における『ねもはエクストラ中国当代建築』の出版記念トークイベントに登壇する。この特集を企画した市川紘司が中国近現代建築史を概観し、次に筆者が入った対談では、1991年に初めて訪れて以来、まず古建築、近代建築を見てからの変化を語る。中国で活動するKUUの佐伯聡子は自作を紹介した。以前、マイナスKハウスを見学したが、中国らしからぬ外観からではなくプランからの思考と、プロジェクトの変更に対応しやすい点、部分でも世界観が伝わるデザイン(全体は部分の集積)が、KUUの特徴だろう。ところで、中国でレクチャーを行なうと、日本では建築家の系譜図を描けることに驚かれる。中国でそれがないのは、文化的断絶と広さも一因だろう。また日本の建築雑誌は、よく10年ごとに近過去を振り返る作業を繰り返し、それが歴史の輪郭をスタディし、建築界に基盤となる共通認識をもたらしているのかもしれない。

2014/05/17(土)(五十嵐太郎)

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