artscapeレビュー

ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界

2014年06月15日号

会期:2014/05/31~2014/08/31

森美術館[東京都]

1階下(森アーツセンターギャラリー)の「こども展」に合わせた企画なのか、「こども展」がモネやルノワールやピカソらモダンアートの巨匠による子どもを描いた絵なのに対し、こちらは子どもをモチーフにした現代美術の展示。奈良美智の絵画を例外として写真や映像が大半を占めるのは、メディアが多様化してるからというより、一筋縄ではいかない子どもの多面性を表現するためであり、子どもを捉えるアーティストの視点そのものが多様化したからでもあるだろう。たとえば、養子縁組した白人男性とアジア人の娘のツーショットを撮ったジャン・オーの「パパとわたし」シリーズを見て、禁断のエロティシズムを感じるのはぼくだけではないはずだ。ひととおり見終わった後に残るのは、カワイイとか無邪気といった陳腐な子どものイメージからはほど遠い、孤独でエロティックで生死の境をさまよう壮絶なイメージなのだ。たしかに子どものときってそうだったよな。

2014/05/30(金)(村田真)

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