artscapeレビュー

「ホイッスラー展」記者発表会

2014年06月15日号

会期:2014/05/23

日本外国特派員協会[東京都]

今年はジャポニスムの当たり年。モネの《ラ・ジャポネーズ》を目玉とする「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」に続いて、モネ以上にジャポネズラー(こんな言葉はありません)なホイッスラーの登場だ。ホイッスラーはアメリカに生まれ、幼少期をロシアですごし、パリで絵を学び、ロンドンに移住したというコスモポリタンだけに、日本美術を難なく受け入れることができたのかもしれない。実際、彼はモネより10年以上も早く和服を着た白人女性が壷に絵付けする和洋折衷絵画《紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン》を描いている。この作品と《ラ・ジャポネーズ》を隣に並べてみたい欲望にかられるが、じつは「ホイッスラー展」の立ち上がりは京都国立近代美術館(9/13-11/16)で、同じ時期「ボストン美術館展」が向かいの京都市美術館(9/30-11/30)に巡回するので、作品同士が隣り合わせになるわけではないけれど、隣の美術館で両作品を見比べることができるのだ。偶然にしてはできすぎだな。首都圏は12月6日から2015年3月1日まで横浜美術館で開催。

2014/05/23(金)(村田真)

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