artscapeレビュー
SICF17
2016年06月15日号
会期:2016/05/01~2016/05/04
スパイラルホール[東京都]
スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル(SICF)も17回目。2000年に始まったんで「17」なんだろうけど、今年は2016年だからややこしい。というのも下のスパイラルガーデンでやってる「SICF16 受賞者展」を、今年の受賞者と間違えそうになったからだ。1回休んで年号と一致させるのはどう? もひとついわせてもらうと、会期わずか4日間を2グループに分けて50組ずつ2日間ずつしか展示しないので、すべて見るには4日間以内に2回見に行かなくてはならない。こりゃ不便だ。まとめて文句を書いたのは、語るに値するクリエーターが少なかったからだ。注目したのは二人だけ。ひとりは、静物画みたいな絵から絵具を削り取ったキャンバスや、紙をはがしたパネルを並べた野内俊輔。明らかに周囲から浮いていたが、そのことも含めてこういうの好きだ。もうひとりは、ソラマメやチクワを原寸大で描いたり、小さな布袋を「あぶらあげ」と称したり、タイルの上に富士山のせて「ポケット銭湯」をつくったりしている橘川由里絵。セコさの向こうに高橋由一の影が見える。
2016/05/02(月)(村田真)