artscapeレビュー

人造乙女美術館

2016年06月15日号

会期:2016/04/26~2016/05/22

ヴァニラ画廊[東京都]

ラブドールの展覧会。これまで4回オリエント工業の協力でラブドール展を開いてきたそうだが、今回は美術史家の山下裕二が監修し、池永康晟の美人画をモデルにドールを制作するという趣向だ。山下センセー、こんなところでもご活躍ですね。ダッチワイフ時代から長足の進歩を遂げたとは聞いていたが、間近に見るのは初めて。たしかにリアルだけど、チラシにあるように「不気味の谷」を越える安心感があるのも事実。それはたぶん動かないからだろうね。もしラブドールが最近のロボットみたいにぎこちなく動き出したら、男どもは喜ぶどころか興ざめも通り越して、一気に不気味の谷に突き落とされるはず。おそらくラブドールロボットの需要は当分ないだろう。てか、もうすでに開発されてて、ある種の人たちに愛用されてたりして。それこそブキミだ。話がそれた。別室ではラブドールに直に触れるコーナーもあり、いちおう並んで順番が来たらナフキンで手を拭いて、上半身を触らせていただいた。指にまとわりつくようなモチモチ肌……。

2016/05/20(金)(村田真)

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