artscapeレビュー
ナティー・ウタリット “Optimism is Ridiculous"
2016年06月15日号
会期:2016/05/10~2016/06/04
メグミオギタギャラリー[東京都]
東南アジアのアーティストには珍しい、一見古典的な静物画。矢が刺さった子鹿をはじめウサギやカモなどの獲物が描かれているので、17世紀オランダあたりで流行った狩猟画というべきか。これも静物画の一種ではあるけれど、「スティル・ライフ(静かな生)」というより「ナチュール・モルト(死んだ自然)」と呼ぶのがふさわしい。しかしタイトルの「Optimism is Ridiculous(楽天主義はバカバカしい)」を見ると、なにか政治的意図が隠されているのかもしれない。
2016/05/20(金)(村田真)