artscapeレビュー

東北──アートの博物学

2016年06月15日号

会期:2016/05/10~2016/07/05

代官山蔦屋書店2階Anjin[東京都]

美大は中央から離れれば離れるほど特色が際立ってくるようで、とりわけ東北芸工大は土着色が著しい。今回は陶芸が多いので余計その傾向が強いのかもしれないが、なにか学校全体が反文明、東北回帰のメッセージを発しているような気もする。鴻崎正武は幅8.8メートルの巨大画面に、古今東西の動植物やロケットなどをコラージュ風に散りばめた《TOUGEN─希望の彼方》を出品。「TOUGEN」とは桃源郷に由来するが、金箔を用いたり屏風絵みたいな形式だったり、日本画っぽいけど洋画だったり。でもおそらく「東北画」なんでしょうね。高妻留美子はヒトデのミイラや蓮と種子などを陶で倍くらいの大きさにつくり、本物と並べている。拾ってきた自然物をマジマジと観察し、描きとめておく博物学の態度を思い出させる。

2016/05/22(日)(村田真)

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