artscapeレビュー

木村充伯展 We Mammals

2016年06月15日号

会期:2016/05/07~2016/06/11

ケンジタキギャラリー[愛知県]

名古屋市美からほど近いケンジタキギャラリーへ。木の板の表面をガシガシ削って人か動物のかたちに毛羽立たせ、色を塗り込む。地は白。動物のかたちは猫、犬、クマなどで、プリミティブなつくりなのに、毛羽立ちが体毛のようで妙なリアリティもある。おもしろいのは、鳥やリスなど小動物を彫った小さめの板を止まり木にのせた作品もあれば、板ではなく固まりから丸ごと彫って表面を毛羽立たせた彫刻もあること。バルケンホールを思い出させる作品もあるが、彼の興味はぜんぜん別のところにありそうだ。木村は以前、油絵具をパネルの上で固めた絵画とも彫刻ともいいがたい作品をつくっていたが、その固まりが動物の姿になり、今回はレリーフ状と立体に分かれた。動物は単なるモチーフでしかなく、絵画と彫刻の「あいだ」こそ彼の目指すところかもしれない。

2016/05/28(土)(村田真)

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