artscapeレビュー
ボルゲーゼ美術館展
2010年03月15日号
会期:2010/01/16~2010/04/04
東京都美術館[東京都]
ボルゲーゼ枢機卿の集めたコレクション展だけに、圧倒的に宗教画が多い。もう見慣れたはずなのに、魚に説教する聖アントニオとか、聖痕を受ける聖フランチェスコとか、人妻の裸をのぞき見る老人たちとかを見ると、あらためてなんとウサンくさい宗教なんだろうと思う。だからおもしろいのだが。ほかに同展の見どころは、マルチェッロ・プロヴェンツァーレによる美しいモザイク、アルキータ・リッチによる《支倉常長像》だ。とりわけ慶長遣欧使節の団長を描いた後者は、初めて油彩画で表わされた日本人の公式肖像画ではないか。白い絹地に金糸で動植物を刺繍した着物が伊達だ。つーか、彼らを派遣したのは伊達政宗だもんね。
2010/02/16(火)(村田真)
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