2020年11月15日号
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artscapeレビュー

公募京都芸術センター2010「寺島みどり《見えていた風景──記憶の森》/森川穣《確かなこと》」

2010年03月15日号

会期:2010/02/05~2010/02/24

京都芸術センター[京都府]

開館以来開催されている公募展。今年は映像作家の河瀬直美氏が審査員で、126の応募から寺島みどり、森川穣のプランが選ばれた。森川は、日頃の身体感覚や認識のリアリティにアプローチする作品を発表。日頃は目にすることのないものの存在や、観察することのない光景を意識させるインスタレーションを展開していた。寺島の作品は会期中に公開制作でつくりあげていく壁画。ちょうど寺島が休憩中のときに訪れたので、制作の様子を見ることはできなかったが、会場の壁面いっぱいに描かれた「風景」の筆跡やさまざまな色の重なりは容赦なく変化していく臨場感も生々しく、見ていると、胸がドキドキしてくる。本人は「まだ“見えていない風景”なんですよ」と笑っていたが、それはなにかを描こうとしているというよりも、目にするあらゆるものが流転していくありさまを小柄なその全身をいっぱいでとらえようとしている印象で、会場を後にしてからも、興奮気味だった。もう一度見に行こうと思っていたのに、気がつけば終わってしまっていたのがいまだに悔しい。

2010/02/09(火)(酒井千穂)

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