artscapeレビュー
田窪恭治 展 風景芸術
2011年06月15日号
会期:2011/02/26~2011/05/08
東京都現代美術館 企画展示室1F、B2F[東京都]
豪快な1/1のスケールによって、建築に介入する田窪の「風景芸術」を紹介する展覧会だ。鈴木了二との共作「絶対現場」、美術館の吹抜けに実現できなかった鋳物の床を出現させたフランスにおける林檎の礼拝堂、そして琴平山の再生計画などの代表作がダイナミックな空間体験とともに楽しめる。改めて比較すると、やはり林檎の礼拝堂のプロジェクトが作品の密度において圧巻だった。当時の日本はまだメセナの金も存分使えたタイミングであり、そうした経済状況も追い風になったのだろう。今では難しいと思われるが、あの時代だからこそ後世に残すことができた素晴らしい芸術作品である。
2011/05/05(木)(五十嵐太郎)
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