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artscapeレビュー

I'm so sleepy──どうにも眠くなる展覧会

2012年04月01日号

会期:2012/03/02~2012/03/18

世田谷文化生活情報センター「生活工房」[東京都]

冬眠していた動物たちが目覚めるこの季節、3月第3週金曜日は世界睡眠医学協会が定めた「世界睡眠デー」なのだそうだ。今年から日本でも睡眠健康推進機構が春(3月18日)と秋(9月3日)にそれぞれ「睡眠の日」を設けた。良い睡眠は健康な生活に欠かすことができない。「睡眠の日」前後には、睡眠に関する正しい知識の普及と啓発を行なってゆくという。「I'm so sleepy──どうにも眠くなる展覧会」はそんな「眠り」をテーマにした展覧会である。3階ギャラリーのテーマは、動物たちの眠り。どんな生き物にも睡眠は欠かせないが、眠るということは無防備になることでもある。敵に襲われないようにするために、あるいは活動時間の違いによって、動物たちの眠りのかたちはさまざまである。たけむらまゆこのイラスト、さくまひろこの文章によるパネルは、絵本のようで楽しい。4階ワークショップルームのテーマは人の眠り。1日=24時間の天体の進行と、人、動物(ムササビ)、植物(カタバミ)の体内変化のリズムを立体的に表わした大きなモデル[図1]に圧倒される。周囲の解説シートでは、一般的な日本人が帰宅し、食事、入浴、睡眠、そして覚醒までに至る体内における変化と睡眠との関係がさらに詳細に解説される。そして夢。人はなぜ夢を見るのか。夢はどのような記憶から構成されているのか、夢の仕組みを解説する。展示の最後は、世界各地で用いられた眠りのための道具。干し草のベッド、木の枕、蚊帳、ハンモックなどをじっさいに体験できる。チラシには「もしも寝ちゃっても起こしません(閉館までは……)」とあったが、本当に寝てしまう人たちがたくさんいたそうだ。週末には、眠りをテーマにしたメニューを揃えたカフェも出張。「眠り」というカタチのないものをさまざまな側面から視覚化した展覧会。生活工房の企画も、会場構成を手掛けたセセン設計所の仕事もとてもすばらしい。[新川徳彦]


1──会場風景(体内変化のリズムを表わした模型)

2012/03/06(火)(SYNK)

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