2019年07月15日号
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artscapeレビュー

蘭にみた、夢 蘭花譜の誕生

2012年04月01日号

会期:2012/03/03~2012/05/27

アサヒビール大山崎山荘美術館[京都府]

大山崎山荘を建設した加賀正太郎は、実業家であると同時に多趣味の人であり、蘭栽培でも日本屈指の実績を残した。大山崎山荘の温室には、大正から昭和の約30年間に1,140種・1万鉢近い蘭が育成されたという。彼が1946年に監修・制作した『蘭花譜』は、木版画83点、カラー図版14点、単色写真7点の計104点でその成果を記録したポートフォリオである。本展では、『蘭花譜』の全作品を初めて一堂に展示。なかでも木版画は浮世絵ゆずりの技術が惜しみなく投入されており、肉筆画と見間違うほど質の高いものだった。また、手書きの校正や版木など貴重な品も残されており、企画に一層の深みを与えていた。それにしても、昔の富豪の道楽(とあえて言う)は凄い。大山崎山荘には、まだまだお宝が隠れているのではなかろうか。

2012/03/02(金)(小吹隆文)

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