artscapeレビュー

プレビュー:ドッグマンノーライフ

2016年05月15日号

会期:2016/06/01~2016/06/13

STスポット[神奈川県]

少し先ですが、6月の上旬に『ドッグマンノーライフ』が上演されます。チェルフィッチュ最古参の役者であり、手塚夏子から指導を受けた影響もあって、パフォーマンスへの独自の思考を形成してきた山縣太一の新作です。前作『海底で履く靴には紐が無い』で世間を驚かせたユニークな言葉遊びが大量に含まれた戯曲は、今作でも健在。筆者は稽古場を見学に行ってきたのだけれど、戯曲に匹敵するほど興味深かったのは、大谷能生がパフォーマンスするエリアが限定されており(稽古では箱を並べることで仕切られていた)、その他の新しい役者たちVS大谷能生といったぶつかり合いが、舞台にあらかじめしつらえられていたことだ。いわば、サッカーか卓球か、対戦型のスポーツを観客が側面から見ているような趣向になっている。どうもパスは観客へも飛んでくるらしい、観客も安穏としていられないようだ。まちがい無いのは、方法的トライアルがしっかりと用意されているということで、本作が日本の演劇界を揺さぶってくれることを期待してしまう。


BONUSが製作した稽古場インタビュー

2016/04/30(土)(木村覚)

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