artscapeレビュー
─歿後20年─青山義雄展
2016年05月15日号
会期:2016/04/03~2016/06/05
茅ヶ崎市美術館[神奈川県]
「この男は色彩を持っている」とマティスが認めた日本人画家、だそうだが、たまたま画廊でこの日本人画家の絵を見て感想を述べただけで、マティス本人も覚えてないんじゃないか。青山義雄は戦前に滞仏し(マティスに「認められた」のはこのとき)、戦後も精力的に地中海周辺に出かけ、102歳の天寿を全うした画家。たしかに美しい色彩の絵もあるけど、すでにマティスやボナールがいるからねえ。しかも戦前の絵は10点ほどしかなく、残る60点は戦後の作品。特に80年代以降(85歳くらいから)が半数を占める。べつに年寄りの作品が悪いとは思わないが、年老いたら昔と同じように描けるわけがない。個人的にはもっと色彩も形態も破綻してグダグダになった絵も見たかった。
2016/04/10(日)(村田真)
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