artscapeレビュー
今井祝雄 Retrospective─方形の時間
2016年05月15日号
会期:2016/03/26~2016/04/23
アートコートギャラリー[大阪府]
1964年の個展「17才の証言」でデビューし、具体美術協会のメンバーになって、以後、絵画、写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多彩な作品を発表してきた今井祝雄。近年は海外でも評価が高まっている彼の、1970年代後半から80年代前半の作品を紹介したのが本展だ。当時、今井は「時間」をテーマに制作を行なっていたが、本展ではそれらのなかから、《八分の六拍子》や《時間の風景/阿倍野筋2~7》といった写真作品、テレビの画像をトレーシングペーパーに写し取った《映像による素描─A1》、オープンリールのテープとデッキなどを駆使したパフォーマンス&インスタレーション《方形の時間2》(1984年作品の再制作)などが展示された。いずれも30~40年前の時代の空気を体現する貴重な作例だ。レアな機会を与えてくれた今井と画廊に感謝したい。
2016/03/29(火)(小吹隆文)