artscapeレビュー

ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描くわたし

2009年10月15日号

会期:2009/07/18~2009/09/28

東京都庭園美術館[東京都]

「針と糸で描く」アーティストの作品。「針仕事」は昔から「女の仕事」とされてきたせいか、女性アーティストが多く、男は奥村綱雄にしろヌイ・プロジェクトの吉本篤史にしろどこか病的だ。あるいは、病的なものを癒すために細かい「針仕事」に没入したのかもしれない。圧巻は、ドレープやあやとりやキャンヴァス画を大きな布に刺繍した手塚愛子のインスタレーション。モチーフはすべて糸や布に関係している。ベラスケスの《ラス・メニーナス》もあったが、ここはやはり、織物競技に負けたアラクネがクモに変えられたという同じ画家の神話画《アラクネ》もほしいところ。

2009/09/25(金)(村田真)

artscapeレビュー /relation/e_00005183.json l 1209523

2009年10月15日号の
artscapeレビュー