artscapeレビュー
水内義人 展
2009年10月15日号
会期:2009/08/18~2009/09/19
複眼ギャラリー[大阪府]
薄暗い会場は足の踏み場もない部屋のように、さまざまなモノで溢れている。モーターが作動すると、シートの下に仕込まれた巨大な風船が膨らみ床が盛り上がる。定期的にスイッチが入って騒々しくAMラジオの放送が流れ出し、おもりが上下して、栽培されているネギに水がかけられたり時計が動き出したりする。ギャラリーのオーナー村田さんが「汚いピタゴラスイッチみたいだ」と言っていたがまさにそんな印象。私が初めて見た水内の個展は2年前。当然かもしれないが、空間全体をつかった作品はその時よりもうんとパワーアップしている。汚い見た目と面白さも抜群だが、なぜかそれがチャーミングで今回も笑いっぱなしだった。
2009/09/19(土)(酒井千穂)