2022年10月01日号
次回10月17日更新予定

artscapeレビュー

ある風景の中に In a Landscape/明倫茶会「沈黙」の茶会

2009年10月15日号

会期:2009/09/15~2009/10/18

京都芸術センター[京都府]

見慣れた風景やそこで聞こえる音に意識を集中すると、普段とは異なる感覚を体験できるかも知れない、そこ新たな発見があるかもしれないというテーマのもと、6名の作家が作品を発表。参加作家は、梅田哲也、岡田一郎、鈴木昭男、ニシジマアツシ、藤枝守、矢津吉隆。センター内の制作室で発表されている梅田哲也のインスタレーション作品は、先に見た「汚い“ピタゴラスイッチ”」水内の作品とよく似ているが、こちらは汚くはない。4階の屋外通路に設置された藤枝守の《Aeolian Harp》は近くに立ち、耳をそばだてていると風の振動によって奏でられるハープの音が聞こえてくる作品だというが、そのときはまったくなにも聞こえなかった。そのかわり、近くでゴーゴーと回転する換気扇の耳障りな音ばかりが聞こえてくる。けれど「普段見慣れた風景」とは、見慣れているものしか見ていない私の記憶のイメージだけの「風景」であり、生活環境にあふれる音なんてほとんどなにも聞こうとしていないのだと自分の感覚を改めて思い知る。それぞれの表現手法もさまざまで、全体のバランスが良い展覧会。また違う感想がもてそうなので、もう一度見に行こうと思った。

2009/09/26(土)(酒井千穂)

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