2018年10月15日号
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artscapeレビュー

向山裕展「砂の原野・霊告」

2014年10月15日号

会期:2014/09/08~2014/09/27

ギャルリー東京ユマニテ[東京都]

カツオノエボシ、エリンギ、ゾウリエビ、カイダコといった際どい生物たちを、ときに標本風に、ときに情景描写入りでていねいに描いている。もっとポピュラーな生物たち、たとえばサンマはコスモスの花に囲まれて、ニワトリは温泉から首だけ出して、羽化するセミは2匹並べて、ちょっと幻想的に描出。生物だけかと思ったらそうでもない。爆弾でも落としたように海面にしぶきが上がっていたり、潜水艦が潜んでるかのように海中から不気味な光が見えたり、なにか不穏な気配を感じさせる海景画もある。問題は、珍しい生物やありえない風景をリアルに描写することではなく、それらを依代とするカミを「現像」することだという。近年あまり見ないタイプの画家であり、これからも目が離せない。

2014/09/12(金)(村田真)

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