2018年07月15日号
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artscapeレビュー

被爆70年祈念連携プロジェクト 岡部昌生「被爆樹に触れて」

2016年01月15日号

会期:2015/11/30~2015/12/05

トキ・アートスペース[東京都]

広島、沖縄、名古屋、福島、札幌を巡回してきた展覧会で、広島と福島で被爆した樹木の表皮をフロッタージュした作品を展示している。フロッタージュとはある意味、対象の上っ面しか写し取らない内実を欠いた技法といえるが、岡部は逆にその対象が抱え込んでる意味を伝えるための手段としてフロッタージュを用いる。被爆樹だったら現在の表皮だけでなく、その下に隠されている被爆した事実と現在までの歴史をもあぶり出そうとする。だから岡部の作品には言葉が重要になってくる。フロッタージュには採集場所や木の種類などのメモが記され、各展覧会場ではゲストを呼んでトークショーを開くといったように。そのため彼の作品=活動は近年はますます重く、求道的にすらなってきている。このまま行くと「美術」を踏み外してしまうんじゃないかと思うくらいに。

2015/12/05(土)(村田真)

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