2018年04月15日号
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artscapeレビュー

西野壮平「Action Drawing: Diorama Maps and New Work」

2016年01月15日号

会期:2015/11/26~2016/01/17

IMA gallery[東京都]

西野は世界中の都市を歩き回って何千、何万枚ものモノクロ写真を撮り、それを切り貼りして地図のような巨大なコラージュ「Diorama Map」をつくる写真家。今回は2004年と2014年に制作した2点の「東京」と、新作の「ヨハネスブルグ」を展示し、会場では「ハバナ」も公開制作している。ほかに、自分が1日に移動した軌跡を白い線(点の連続)で表わした「Day Drawing」というシリーズも初公開しているが、こちらはプライベートな行動の記録にとどまり、「Diorama Map」ほどの視覚的インパクトもイマジネーションの広がりもない。「Diorama Map」のほうは、元になった写真がほとんどが高いビルから俯瞰する角度で撮られているので、つなげると斜め上から見下ろした鳥瞰風の地図となる。かつてデイヴィッド・ホックニーがハマっていた写真コラージュの拡大版と考えてもいいが、ホックニーのコラージュが1枚の画面のなかに異なる時間を組み込むことをもくろんでいたのに対し、こちらは10年を隔てた2点の東京のコラージュに時代の差が見てとれる。たとえば04年の東京駅は昔風だったのに、14年にはリニューアルされたとか(実は新しくなったのではなく、04年よりもっと昔の姿を復現した)、04年にはなかったスカイツリーが14年には建ってるとか。さらに実際に風景の変化もさることながら、04年には無機的だった都市風景が、14年には人の姿や看板の文字など微視的・地上的モチーフが組み込まれ、生活感すら感じさせている。これは作者の都市観の変化の表われかもしれない。

2015/12/16(水)(村田真)

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