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第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」

2016年10月15日号

会期:2016/05/28~2016/11/27

[イタリア、ヴェネチア]

日本館は数を絞り込む例年とは違い、10組以上が参加したが、展示のデザインを巧みにまとめていた。ただ、説明を読む観客はほとんどいない。短時間滞在で視覚的に記憶されるのは増田・大坪とヨコハマアパートメントだろうか。なお、1970年代に磯崎新が成功させた間(MA)展から約40年、21世紀になっても、「縁(en)」という日本古来のマジックワードを使って海外に効率的に売り出すというやり方は、変わらないのかという思いもある。筆者が2008年のビエンナーレにおいて、石上純也の温室を展示したとき、そういう説明はこちら側からしないと踏ん張ったのだが(それでも海外は日本的だと評価するけれど)。

2016/09/11(日)(五十嵐太郎)

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