artscapeレビュー

BODY/PLAY/POLITICS

2016年10月15日号

会期:2016/10/01~2016/12/14

横浜美術館[神奈川県]

まず、日本人が企画し、日本でやる展覧会なのに、なぜタイトルをアルファベット表記にするのか理解できない。これだけで来館者は減ると思う。でも「ボディ/プレイ/ポリティクス」というカタカナ表記もなんだか間が抜けてるし。結局タイトルがよくないって話だ。展示はひとりほぼ1室を使い、余裕たっぷりに見られてよかった。ただし中身がよくない。インカ・ショニバレは美しい立体と映像を出しているが、解説がなければ理解できないし、理解したところで遠すぎて響いてこない。アピチャッポン・ウィーラセタクンはさすがに美しい映像を見せているが、解説を読むと語るに落ちる。最後のふたりは日本人で、特に石川竜一がおもしろかった。石川は名前は聞いたことがあるくらいで、ちゃんと作品を見るのは初めて。特に感動したのは《小さいおじさん》と《グッピー》で、文字どおり背の小さなおじ(い)さんとハデな化粧のおば(あ)さんとつきあい、彼らの生活に分け入って撮影したシリーズだ。ふたりとも世間的にいえばちょっと外れた異形の人、いわばアウトサイダー。展示も内容に沿っていて、壁をそれぞれ緑と赤に塗りつぶして写真を並べ、余白に石川の直筆でふたりのエピソードを書いている。このコーナー全体がアウトサイダーアートになっているのだ。いやーこれだけで満足した。

2016/09/27(金)(村田真)

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