artscapeレビュー
プレビュー:クラーナハ展 500年後の誘惑
2017年01月15日号
会期:2017/01/28~2017/04/16
国立国際美術館[大阪府]
すでに国立西洋美術館で見た人も多い「クラーナハ展」を今さら取り上げるのもどうかと思うが、未見の筆者としては大阪展が楽しみでならない。その理由は当方のドイツ・ルネサンス(北方ルネサンス)体験の乏しさにある。まとめて作品を見たのはデューラーぐらい。いや、大昔の海外旅行でボッスも見たか。でもそれぐらいで、ブリューゲルやクラーナハは皆無に等しい。大体、昔は「ルーカス・クラナッハ」と表記されていて、それも絵ではなく山本容子の著作『ルーカス・クラナッハの飼い主は旅行が好き』(徳間書店、1989)で知ったぐらいだ。その後も森村泰昌の作品を通してオリジナルを知るなど、歯がゆい状況が続いていた。東京展の評判は関西にも届いているので、内容に対する不安は一切ない。万全を期して展覧会に臨みたい。
2016/12/20(火)(小吹隆文)