artscapeレビュー

ミュージアム

2017年01月15日号

タイトルに興味をもって見た映画『ミュージアム』は、確かに最後まで飽きずに見ることができる小栗旬の熱演だし、『セブン』的な展開だったが、一番のラストは観客を驚かせるための小細工に思え、物語の一貫性や、作品が獲得しうる可能性としては疑問だった。ただし、原作は少し違うらしい。またアーティストを気どった殺人者によるアート殺人が売りなのにもかかわらず、美術の設定がさほど洗練されていない。狂気を描いた今年の映画としては、同じく漫画を原作にしたものだが、『ヒメアノ~ル』の方が強烈だった。

2016/12/01(木)(五十嵐太郎)

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