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金沢工業大学建築アーカイヴス研究所

2010年12月15日号

[石川県]

金沢工業大学における、国内初の建築アーカイヴに関する研究機関。所長は竺覚曉教授。金沢工業大学は、2007年3月に日本建築家協会との協同でJIA-KIT建築アーカイヴスを開設し、近現代の建築家が作成した図面など建築関連資料を、文化遺産として収集・保存・整理・調査・公開を行なうなど、一私立大学でありながら建築アーカイヴに関して先導的な立場をとっている。この活動と並行してアーカイヴに関する研究を行なうため立ち上げられたのが本研究所であり、図面から3次元データ、アーカイヴの方法論や実情調査など、建築アーカイヴスに関する全般的な研究を行なっている。特に貴重資料室には、アルベルティなど15世紀以降の希少本が集まっており、日本ではここでしか見ることのできない本が多数あるという。なお、今後の建築資料は有事に備え、ネットワーク化してアーカイヴされていく必要があるという。つまり、アーカイヴもクラウド化の方向に向かっている。

2010/11/20(土)(松田達)

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