2021年06月01日号
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artscapeレビュー

國府理「Parabolic Garden」

2010年12月15日号

会期:2010/11/09~2010/12/04

ARTCOURT Gallery[大阪府]

昨年、群馬県立館林美術館で展示された《Typical biosphere》に改良を加えた作品をはじめ、車輪のついたパラボラアンテナの上に苔の庭が広がる《Parabolic Garden》、一時間ごとに天井から雨のシャワーが降り注ぐ巨大な《砂漠の庭 Desert Garden》など、植物の生態系そのものを取り入れた大型彫刻作品が複数発表された個展。あえて植物を“自然”の土壌から切り離し、大きな装置にした作品のスケールもさることながら、 國府の表現にはいつも、人間のもつ計り知れない創造力や夢と同時にその破壊力や現実の葛藤も表われていて動揺する。植物だけでなく人間の身体感覚、感情もふくめ、生きるものの時間を機械などの性質と対立させるのではなく、また、科学技術と自然とを対立するものとして扱うのではなく、それらが出会う瞬間から切り離されてしまいがちな双方の関係を見つめ問い続ける眼差しの深さを感じるのだ。
図版=展示風景。國府理《砂漠の庭 Desert Garden》

2010/11/19(金)(酒井千穂)

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