2021年06月01日号
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artscapeレビュー

木藤純子+水野勝規 二人展

2010年12月15日号

会期:2010/10/16~2010/11/27

GALLERY CAPTION[岐阜県]

木藤純子と水野勝規の二人展。会場に入ると、水を張った大きなガラスの容器に青空のイメージが映る木藤の作品《sky pot》がまず目に入る。これはもともと二つ制作されたのだそうだが、今展には、不意に割れてしまったというひとつの《sky pot》をめぐる物語が会場のあちこちに潜んでいた。ギャラリーのひとつの空間に割れたガラスの容器や花の冠、壁に直接描いたドローイングなどのインスタレーション。通路の窓辺にはとても小さなガラス玉も並んでいた。なにも知らずに展示を見るだけでは、その私的な物語を知り得ることもなく、謎に包まれていて戸惑うのだが、あらすじを聞くと、それらが見る見るうちに深度を増して美しく感じられる。奥のスペースには水野の《monoscape》という連作の映像作品が並んでいた。複数のモニタに映る景色とその時間は淡々と流れていくが、微細な空気の変化や感触をイメージさせる瞬間がある。ふたりの表現には一見、強烈に突出する印象や究極の要素はない。けれど、共通して、エレガントという絶妙な性質も潜んでいる。

2010/11/25(木)(酒井千穂)

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