artscapeレビュー
2013年02月15日号のレビュー/プレビュー
グランド・ゼロ
[アメリカ、ニューヨーク]
9.11の同時多発テロの跡地へ。6年前に訪れたときは、まだ鎮魂の雰囲気が強かったように思うが、いまは新しい高層ビルの建設が進み、タワー跡を強調するメモリアル施設も完成し、新しい観光地として、多くの人の流れが生まれている。近くにはファサードの垂直線がうねうねとくねる76階建てのゲーリーによる高層マンションも登場していた。
2013/01/02(水)(五十嵐太郎)
メトロポリタン美術館
[アメリカ、ニューヨーク]
メトロポリタン美術館を久しぶりに訪れる。このメガ・ミュージアムは、モノを並べる展示空間も、エジプト、中国、ギリシア、イスラム、ゴシックなど、地域や時代ごとのテーマにあわせて入念につくり込み、いわばすべて本物を並べたディズニーランドのようだ。また大吹抜けの人の多さはまるで駅のようだ。日本美術のセクションでは、近世の絵に囲まれて、名和晃平によるビーズに覆われた鹿の彫刻を置く、ユニークな展示が心憎い。
2013/01/02(水)(五十嵐太郎)
トゥーランドット
メトロポリタン歌劇場[アメリカ、ニューヨーク]
メトロポリタン劇場にて、オペラ『トゥーランドット』を見る。垂直方向の高さや奥行きのある舞台美術は好みだ。しかし、相対する複雑な感情を楽曲で表わすモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』とは違い、プッチーニのオペラはわかりやすい内容と曲で、オリエンタリズムの色彩が強いど派手な演出が目立つ。その感覚は、ハリウッド映画に近いというか、実際初期のスペクタクルはオペラの影響も受けていたのだろう。
2013/01/02(水)(五十嵐太郎)
41 Cooper Square
[アメリカ、ニューヨーク]
最終日、イーストヴィレッジ界隈を歩く。モーフォシスによる新しいクーパー・ユニオンの建物は、メインストリートに対して屈曲したファサードをもち、ゲーリー的な派手さを演出しつつも、躯体と表層を分離して内部はそれほど過激ではなさそうだ。その後、近隣を歩いたが、改めてニューヨークもガラスの高層建築が増えていることを痛感した。
2013/01/03(木)(五十嵐太郎)
JFK空港ビジネスラウンジ
[アメリカ、ニューヨーク]
JFK空港のビジネスラウンジは、ドナルド・ジャッド、ダン・フレヴィン、クリストほか、巨匠のアートワークを散りばめ、しかも各作品のキャプションと解説までついている。さすが現代美術の街ニューヨークと思いきや、よく見ると、備品の横のフレヴィンやジャッドは、ありえないほど、ぞんざいで失礼な置き方でそのギャップがちょっと笑える。
2013/01/03(木)(五十嵐太郎)