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artscapeレビュー

吉田五十八《ローマ日本文化会館》

2012年11月15日号

[イタリア・ローマ]

吉田五十八が設計したローマの《日本文化会館》に向かう。日本建築を引きのばしたような空間である。イタリアの水準にあわせるためか、特に垂直方向に高くなっているが、巨大な違い棚や障子はアートのインスタレーションのようだ。今回、「東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」展は同じものを2セット制作しており、そのひとつが一階の日本的空間に設置された。筆者はレクチャーを行なったが、イタリアでは地震が起きるので、より強い関心を持ったようである。2009年に地震が起きたラクイラ大学の建築の先生たちが駆けつけたのだが、ちょうど地震予知をめぐる裁判で、科学者への有罪判決が出た直後だった。ラクイラでは、仮設住宅の建設が遅れ、三段階ではなく、二段階の復興になるという。また日本と違い、公共建築の方が地震で危ないなど、いろいろ事情が違うようだ。

2012/10/23(木)(五十嵐太郎)

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