2017年06月15日号
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artscapeレビュー

Non-Linear/非線形プロジェクト「What’s Next?」

2014年02月15日号

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会期:2014/01/18~2014/02/09

ARTZONE[京都府]

作家それぞれの新作の出品。作品が隣にあるというぐらいの作品同士の関係性で、展開もあまり設定されていない、それぞれのブースのようにシンプルすぎる構成。さらに企画者の意図やテキスト、テーマ性への解説もない。企画意図のはっきりしない展示と考えるとそれまでだが、本展のキュレーターであるイ・ハヌルのそれに対するひとつの意志表示と考えると興味深い。
キュレーターというと、作家との関係は、共犯関係であったり、もしくは目撃者としての立場などあると思うが、彼女の場合、またそれと少し違う。話をきくと「作家の作品を見続けたい」というような立場。作家への展示の依頼のときも、「作家のいままでにしてないことをしませんか」という提案をしていたそう。作家との付き合いも、「作家が驚くほど私に本音でいろいろ話してくれた」ということからも作家側からも美術館学芸員のような立場とは違う接し方だったこともわかる。どこまで彼女が意図していたかはわからないが、とはいえその意志はにじみ出るもの。作家のコメントが撮影された映像が上映されていたが、逆に質問者(企画者)の存在が目立つかたちとなっていたこと、そして出品作家の作品は映像的であることから、(特にプロジェクト名にも関されている)ノンリニアという言葉でテーマとしてくくられているようにも想像すると興味深いところもある。
痕跡としての作品から本人が動いている制作プロセスが想起させられる桜井類。関連して展示されていたHAPS(京都市東山区)で実物展示を見せつつ、そのものを平面に落とし込み、目の前の版と実物を関連づける金光男。暗い部屋でブラックライトと白い糸を組み合わせ、動・不動を骸骨モチーフで象徴的に提示する松原成孝。彼らは、自分であったり身の回りの物事、自信のイメージの一瞬一瞬を連続的にとらえるような映像的な意図も読み取れる。
本展ではそれをつなぐ役割はキュレーターではなく、鑑賞者それぞれであり、展覧会が鑑賞者によってつくられるようなさまざまな余白を残していたということだろうか。「what`s Next?」(次は何?)というタイトルを以て最大の説明であり、キュレーターとしての「愛」なのだと感じる。

2013/01/22(木)(松永大地)

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