artscapeレビュー

テート・ブリテン

2014年02月15日号

[イギリス・ロンドン]

テート・ブリテンへ。巧みな構図で物語の場面をドラマチックに描く画家のウィリアム・ブレイクが、もし20世紀に生まれていたら、映画監督になっていたと思う。ターナーの絵画などを展示するクロア・ギャラリーは、約20年ぶりの訪問だが、ジェームス・スターリングが手がけた力作である。ただ現時点では、こうしたポストモダンよりも、ハイテク系のデザインによる古典建築の増築の方が優勢になったかもしれない。テートでは、フランシス・ベーコンの絵を年代別の部屋に分散して展示するが、キャプションにてナチスの影響を示唆していた。ナチスのプロパガンダ関係の写真とベーコンの絵の類似性を指摘する、マーティン・ハマーの著作にもとづくものだろう。この本は、彼の怪物的なイメージの源泉を探る興味深い試みである。

2014/01/01(水)(五十嵐太郎)

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