artscapeレビュー

ボディーズ・イン・アーバン・スペーシズ・イン・ヨコハマ

2012年10月15日号

会期:2012/09/29~2012/09/30

関内[神奈川県]

午後4時半、神奈川芸術劇場のアトリウムに集合。事前情報はそれだけ。時間をすぎると旗を持ったスタッフの先導で外へ。見ると、劇場の外壁の出っ張った軒にカラフルな服を着た数人のパフォーマーがよこたわっている。これはおかしい。観客が中華街のほうへ移動し始めると、いまのパフォーマーたちが走って抜いていく。つねに先回りして準備しとかなければならないのだ。駐車メーターに絡んだり、ビルとビルの隙間に上下に並んだり、階段にびっしりとはいつくばったり、中華街から元町をすぎ、港の見える丘公園まで10カ所以上でやっただろうか。パフォーマンスそのものはなんの意味もなくバカバカしくて笑えるが、それ以上におかしいのは、旗を持った先導者に付き従ってパフォーマンスの写真を撮る100人近い観客たちと、行儀正しく交通整理するスタッフたちだ。本来こうしたストリート・パフォーマンスは予告も許可もなくゲリラ的に行なわれるものだが、それを「芸術」としてありがたく「鑑賞」する光景もメタ・パフォーマンスとして成立するんじゃないか。

2012/09/29(金)(村田真)

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