artscapeレビュー
《こもれ日に降る丘 遊学館》、被災地訪問
2012年10月15日号
[宮城県]
研究室のプチゼミ合宿を行なう。まず久米設計の《こもれ日の降る丘》へ。震災後、被災者を受け入れていたが、今はすっかり日常に戻っている。せんだいメディアテーク以降の開かれた透明な公共施設の典型例と言えるだろう。その後、矢本や東松島周辺の被災地を一年ぶりにまわる。打ち上げられた船はほぼ片付いていたが、半壊状態の住宅はけっこう残っている。夕方、研究室の秘書の実家、涌谷の佐藤邸へ。震災で壊れ、実際に建て替え予定の倉庫のコンペを行なう。学生にとっても、リアル施主を相手にプレゼンテーションする貴重な機会である。審査委員長のおばあちゃんが選んだのは、もっともシンプルな川崎亮の案。そのほか、家族のそれぞれから個人賞が贈られる。そのまま深夜まで飲んで宿泊する。
2012/09/22(土)(五十嵐太郎)