artscapeレビュー

《透明な地形》、《空の見える下階と街のような上階》ほか

2012年10月15日号

会期:2012/09/16

[愛知県]

ゼミ合宿の2日目。まず午前は、高速を移動しながら、鵜飼哲矢による観覧車のある《刈谷ハイウェイオアシス》、韓亜由美がコンクリートの柱群にカラーリングを行なった《豊田ジャンクション》を見学し、吉村英孝らによる現代的な明るい空間として構想された《西光寺》、栗生明による傾斜地に建てられた《岡崎市美術博物館》のバックヤードを訪れた。午後は南川祐輝が設計した開放的な住宅、《透明な地形》を訪問し、子どもに熱く歓迎される。特に研究室の留学生、ドイツ人、ベルギー人、コロンビア人に強く反応していた。続いて、スタジオ・ヴェロシティによるかわいらしい住宅、《空の見える下階と街のような上階》では、精密に設計された空間に施主が気持ちよく住みこなしていた。豊田に向かい、ブラジル人が集っていた妹島和世の透明感あふれる《逢妻交流館》、槇文彦の端正な《トヨタ鞍ヶ池記念館》をまわる。そして名古屋に戻り、宮本佳明の住宅《bird house》を訪れた。傾斜する三角形の敷地で、家と離れのあいだをジグザグにスロープがつなぎ、地形ととりくむ彼らしい建築である。

写真:左上から、鵜飼哲矢《刈谷ハイウェイオアシス》、吉村靖孝+吉村真代+吉村英孝《西光寺本堂》、栗生明《岡崎市美術博物館》、南川祐樹建築設計事務所《透明な地形》、studio velocity《空の見える下階と街のような上階》、妹島和世《逢妻交流館》、槇文彦《トヨタ鞍ヶ池記念館》、宮本佳明《bird house》

2012/09/16(日)(五十嵐太郎)

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