artscapeレビュー
古川松平 展
2013年06月15日号
会期:2013/05/13~2013/05/18
Oギャラリーeyes[大阪府]
私自身はパチンコにはまったく詳しくないが、画面に描かれているのが古めかしく懐かしい昔のパチンコのイメージだということには気がづいた。古川自身はパチンコなどギャンブルはしないそうなのだが、日本全国に根付き、歴史もあるこのパチンコという娯楽にいまも多くの人々が夢中になるという点や、その魅力について関心をもったという。儚い夢にかけて時間とお金を費やし投入されるパチンコ玉。そのイメージと現実の日常生活を重ねて描かれた絵画は毒っ気も潜んでいるのだが、物憂げな雰囲気もあり私もすっと感情移入してしまう。以前見た個展のときの画風とはまた異なるが、飄々とした表現とその味わいに古川ならではの魅力がある。次の発表も楽しみだ。
2013/05/18(土)(酒井千穂)