artscapeレビュー
メメント・モリ──愛と死を見つめて
2013年06月15日号
会期:2013/04/13~2013/05/18
児玉画廊+アラタニウラノ+山本現代+ロンドンギャラリー+新素材研究所など[東京都]
白金アートコンプレックス5周年合同展覧会。5階に研究所を構える杉本博司御大が窮霊汰(キュレーター)を買って出て、森美術館開館10周年記念展「LOVE」に呼応するかたちで「メメント・モリ──愛と死を見つめて」なるお題を出し、各フロアのギャラリーが作品でそれに応えるという趣向だ。1階の児玉画廊は高田冬彦ら5人による混沌としたエロス&タナトス展、2階のアラタニウラノは加茂昂の立体交差的絵画と高嶺格の水槽透過裸体映像、3階の山本現代はヤノベケンジ+ビートたけしのドローイングや小谷元彦の写真など、4階のロンドンギャラリーは橋本雅也の鹿の骨や角による彫刻に西洋の解剖図と日本古美術の取り合わせ、そして5階の新素材研究所では映画『愛と死を見つめて』が見られるほか、杉本博司が女装したお宝写真も飾ってある。これは土曜のみの公開なので運がよかったというか、なんというか。このほか、各フロアに杉本氏の作品やコレクションが紛れ込んでいて、聞くところによるとオープニングも杉本氏の独壇場だったという。レオナルドか利休か、みたいな器用な人だ。
2013/05/18(土)(村田真)