2020年09月15日号
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artscapeレビュー

明るい上映会

2010年05月15日号

会期:2010/03/30~2010/04/11

企画ギャラリー・明るい部屋[東京都]

東京・四谷のギャラリー、明るい部屋の「一周年記念」ということで開催されたスライドショー企画。同ギャラリーのメンバーである秦雅則、遠矢美琴、三木義一、小野寺南のほか、「これまで当ギャラリーの展示やワークショップに参加してくださった若手作家」(エグチマサル、中島大輔、古田直人、元木みゆき、渡邊聖子など)24名の作品を、A、B、C、Dの4つのグループに分けて連続上映している。全部見ると2時間近くなるのだが、けっこう面白い作品が多かったのでつい最後まで見てしまった。映像を一コマずつ流していく純粋なスライドショーもあるが、動画と組み合わせたり、音を入れたり、画像処理をしたりと、けっこう手の込んだものが多い。パソコンでの入力、出力や、プロジェクターの精度も上がってきているので、このような企画が簡単に成立するようになってきたということだろう。
ただ、作りやすく、発表しやすくなっているということは、ただの映像の垂れ流しになる危険も増しているということだ。実際に退屈きわまりなく、見続けるのが苦痛になってしまう作品も少なくなかった。逆にきちんとコンセプトを立てて作り込んでいったり、奇想天外なアイディアを膨らませたりしていけば、かなり面白くなる可能性もある。前者の代表がスライドショーという枠組みを逆手にとって、10分間同じ岩の写真を上映し続けた渡邊聖子の「否定」、後者の代表があまりにも不穏当過ぎて、ここでは詳細を書くことができないほどの破天荒な魅力にあふれる古田直人の「SCOTCH Magnetic Tape」ということになるだろう。特に古田の作品には度肝を抜かれた。彼の秘められた才能が思いがけないかたちで爆発している。

2010/04/08(木)(飯沢耕太郎)

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