artscapeレビュー
公開制作49:長谷川繁
2010年05月15日号
会期:2010/04/10~2010/07/11
府中市美術館[東京都]
国芳もいいが、どっちかというとこっちの絵を見たかったのだ。長谷川繁は90年代にショウガや肉を描いた絵画でデビュー。なぜショウガや肉なのかさっぱりわからなかったが、その筆勢や色彩がとても魅力的だった。その魅力はいまでも変わらず、変わったことといえばモチーフをいくつか組み合わせて奇妙なイメージを形成するようになったこと。たとえばキュウリとバナナをつなげて文字のように見せたり、マグリットのようなシュールなイメージを現出させたり。どうやら長谷川にとってモチーフとは、絵画を成り立たせるための単なるきっかけであって、別になんでもよかったみたい。残念なのは、今日は本人が不在のため公開制作室がロックされ、ガラス越しにしか作品が見られなかったこと。でも7月までやってるから、次の「ノーマン・ロックウェル展」(5/19~7/11)のときにまた来よう。
2010/04/24(土)(村田真)