artscapeレビュー
都築響一「暗夜小路」
2012年02月15日号
会期:2011/11/25~2012/01/09
ナディッフギャラリー[東京都]
「上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」とサブタイトルに謳う「暗夜行路」ならぬ「暗夜小路(こうじ)」。女装図書館にフンドシ飲み屋、イミテーションゴールドの被せ金歯やキラキラの宝石歯など裏世界が満載だが、圧巻はホンモノそっくりのダッチワイフ。いや最近はこのテのリアルな人形をラブドールと呼び、安価な風船状のダッチワイフと区別するらしい。シリコン樹脂製のナイスバディは触るとウヒョヒョーッ、もっちり感があってたまらんですわ。ただ冷たいのが残念だが(夏はサイコーかも)。下はどうなっちょるかのぞいてみたら、オケケの奥にあるあるオナホールが。指つっこんでみたらちゃんと濡れちょるばい。こりゃケッコー使い勝手がありそうだと感心しつつ素知らぬ顔で階上の本屋にいったら、監視カメラでしっかり見られていた。ラブドール、いまウィキペディアで調べてみたら、シリコン製は高価で一体60万円前後するという。笑ったのは、股間のシリコンは裂けやすいのでムリヤリ広げないようにとか、処分に困ってゴミ集積所や空き地に捨てたら死体遺棄と間違われたとか、自分が死んだら一緒に棺桶に入れてほしいという人もいるらしいが、シリコンと金属でできているので火葬場で焼くことは禁じられてるとか……。人間と似て非なるものゆえに奥が深い。
2012/01/04(水)(村田真)