2020年07月01日号
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artscapeレビュー

渡邊佳織 個展「朝のグッドニュース」

2012年02月15日号

会期:2011/12/10~2012/01/12

imura art gallery kyoto[京都府]

じつは個展の会期はとうに過ぎていて、見逃してしまっていたのだが、ギャラリーの前を通りがかったら作品が展示されていてラッキーだった。京都嵯峨芸術大学の修士課程(芸術研究科)を修了し、制作、発表を続けている渡邊佳織は1984年生まれの若いアーティスト。絹本に着彩という日本画の手法で描かれるその作品の多くには、子どもが登場するのだという。描かれた少女たちの無邪気な表情や、その動作の描写が見入ってしまうほど細やかで、透明感をたたえた色彩も美しい絵だった。しかし、同時にその世界観には不安感がつきまとう。展示されていた作品のなかでも「子どもの旅」をテーマにした大作《輝々麒麟》や、《朝のグッドニュース》などは特に、希望や期待感を誘うタイトルやテーマの印象とは裏腹に、不穏な空の色、なんとも険しい少女の表情が強烈で、会場を後にしても気持ちが引き摺られた。テクニック、作品のイメージともに気になる作家だ。3月にかけて再び個展が開催されるという(イムラアートギャラリー東京、2012年2月10日~3月3日)。ぜひもう一度見に行きたい。

2012/01/28(土)(酒井千穂)

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